いつかこうなるかもしれない、という予感はあった。
だって私たち、戦いの最前線にいるんだもの。
戦いの登場人物は、大切な人を作ってはいけないの。

そんな基本の基本を破ったのは誰?


それは…













ロンリー・


クルセイダー











初めはそんなつもりはなかったの。
ただ、自分と同じ彼と一緒にいたかっただけ。
それは、恋とか愛じゃなくて、ただ「同じ境遇」っていうだけの感情。
それが恋に変わった。
自分でも信じられなかった。
私にこんな感情があるなんて。

私はだた、ユウを守ってあげたかっただけ

でも、最高の不幸は…
彼も、ユウも同じ気持ちだったってこと。
私たちは普通の人間と違うから。
私たちは私たちだけで生きていかないといけない。
二人で気持ちを分かち合っていかないといけない。
そんな感情が、私たちを惹きつけ合ったの。









「…ずっと一緒にいようね、ユウ…」
「…一つだけ、約束してくれ…」
「…うん…」
「もし、俺が死んでも…戦い続けろ…」
「…」
「…俺のためじゃない。お前のためだ、…」
「…そうね」
「最後まで、復讐してやろう
「そう…復讐…」








ユウの言葉が私を毒のように蝕んでいった。
いいえ、毒よりも強いもの。
彼は言葉で私を束縛した。


これほどまでにユウが私を束縛できたのは、
心のそこで私もそう思っていたから。
憎いものを憎むという心。







そして彼は死んだ。
他のエクソシストと同じように、とはいかなかったけど。
彼の最期は、砕かれた。

灰のように…

私が抱きしめるとボロボロと崩れていった。








「やっと…解放されたね」








よく貴方が言ってた。

この世界はずいぶん、息がしずらい

と。

そうね。
その通りだと思うわ。
この世界はずいぶん、息がしずらい。
特に私たちには。
だから、早くこんな世界終わらせちゃいましょう。
私が終わらせてあげる。

貴方のために。

貴方が望んだ、息のしやすい世界のために。
私も望んでいる、息のしやすい世界のために。


私は一人で戦うわ。
貴方のために。
















本当は私も、消えるべきなのかもしれない。
世界のために。































そして今日も、私は貴方のために戦い続ける












2014/01/08