結婚式当日











「あー緊張する」
「ようボス!緊張してんのか?」
ロマーリオ!お前…」
さん、どんなドレス選んだ見たのかよ」
「あぁ、それがな…見せてくれなくてよ」
「へぇ〜」











教会の鐘が鳴り、ドアが開いた。
純白のドレスに身を包んだの隣にはボンゴレ9代目の姿。
祭司の前には既にディーノが立っていた。
音楽とともに一歩ずつ、前へと進む。









「ねぇ、9代目…」
「ん?」
「このドレスね、昔の私が1世との結婚式のときに着たドレスとそっくりなの」
「…そうか」
「その記憶は残っててね、ついこれにしちゃった。あ、ディーノには内緒ね。すぐに拗ねちゃうから」
「あぁ…分かったよ。ディーノくんと幸せにな
「うん…」









私の手が9代目からディーノへと移った。









「綺麗だな」
「ありがと…」
「これからは何があってもお前を守る…」
「違うわ」
「え?」
これから”も”でしょ?
ははっ!違いねぇ…」
「ずっとよろしくね、ディーノ」
「あぁ、よろしく、









私たちは、大きな拍手の中、誓いのキスをした。
教会から出たところで、私に拍手をしているツナを見つけた。








「あ、ツナ」
さん、おめでとうございます!!
「ありがとう」
「え?」
「あの時、私に希望をくれたから…」
「あぁ、バミューダの…」






チュッ






さん!?
「これ、ディーノには内緒ね」









色々あった。
私が誰なのか分からないときもあった。
それでもディーノは…皆は、私を見捨てはしなかった。
だからこそ今ここに私はいる。
これからもずっと、私は私で、生き続けて行こう。











La Traviata  -完-











9年後…








ちょっとロベルト!!早く着替えて!
「だってパパがぁ〜」
「パパどこ!?」
「まだ寝てる」
はぁ!?ちょっと、パパ!!こら、ディーノ!!








私はバッとシーツをめくった
爆睡のディーノのお腹に一撃を加える。
うめき声とともにから落ちた音がした。









「いってぇ…おい、…」
今日はツナたちの継承式でしょうが!!
はっ!やべぇ…」
「早く着替えて!ロベルトだってご飯食べたのに」
「おぉ、偉いな、ロベルト!!」








ディーノは息子の頭を無造作に撫で付けた。








あぁ!!折角セットしたのに…!







私はストッキングを履きながら息子の座る椅子の前に立つ。
櫛を片手にグチャグチャになった髪を再度セットした。








「はい、これで完了!ロベルト、ここから動かないでね。次、パパのセットだから」
「はーい」









洗面台で顔を洗うディーノの髪に整髪剤を付ける。
結婚して9年。ロベルトが生まれてから5年。
私たちは喧嘩しながらもいい夫婦生活を送っていた。









「ねぇ、覚えてる?9年前の白蘭の事件…」
「あぁ…若い時のお前が来て大変だった」
「ふふ!今でも若いつもりだけどね」









髪のセットが終わったら次はネクタイだ。
ワイシャツを着た彼の首にネクタイを締める。








「やっぱり息子の名前は、ロベルトだったね」
「あぁ、そこだけは譲れなかったな」
「これからもよろしくね、パパ」
「あぁ、こちらこそよろしく、ママ」








私たちはチュッとお互いの唇を重ねた。
すると…








あー!!パパとママがちゅーしてる!!
「あれ、ロベルト。座って待っててって言ったのに」
僕も!!僕も!!









ディーノは笑い、息子を抱き上げると、頬にチュッとキスをした。
私は逆の頬にキスをした。








「さて、行きましょうか」
「あぁ。ロベルト、今日はツナの兄ちゃんたちに会えるぞ」
わーい!!









これからも、こんな日常が、平凡な日常が続きますように。










2016/05/08