「迷う〜!!!!」
La Traviata 79
イタリアのキャバッローネの城にて。
大量の純白のウェディングドレスに埋もれたディーノはげっそりとしていた。
「こっちのドレスもいいけど、こっちのドレスも…あぁ、このレースも可愛い!」
「もう、どれでもいいじゃねーか…」
「ディーノは分かってないのよ!!うわ、このデザインも綺麗!!」
「はぁ〜…オレ、仕事してくる」
「決まったら呼びに行くわねー!」
「…今日中に決まるのか…?」
あれから約1年。
コロネロとラル・ミルチに先を越されるも、ようやく挙式の日取りが決まった。
場所は南イタリアの城。勿論、キャバッローネの所有する城だ。
ディーノから正式なプロポーズも受け、私の右手薬指にはエンゲージリングがキラリと光っている。
「あ、これ…」
私は数多くの中から一つ、目に止まったものがあった。
とても美しいドレスに、見覚えがあった。
「これにしよう…」
※ ※ ※
挙式の一週間前。
日本からツナたちがやってきた。
「みんな、チャオ〜!」
「あ、さん!!お久しぶりです〜!」
「ハルに京子も!来てくれてありがとう!」
「オレっちも来てやったぞ!」
「あ、ランボ!あんたは別に呼んでないんだけど…」
「うぐっ…」
「ごめんごめん!嘘よ、嘘!ところで、ツナとリボーンは?」
「あれ?さっきまでここにいたのに…」
「ま、リボーンは場所知ってるし、あとで来るでしょう。
まず、観光でもしようか?本場の美味しいジェラート、食べに行きましょう」
ジェラートを食べながら、京子が質問してきた。
「さんは、ディーノさんとは幼馴染なんですか?」
「うん、そういうことになるかな」
「はひー!そういうの、憧れます!!」
「ふふ、ディーノはね、私の為なら死んでもいいって言ったの。
それもね、5歳のときよ?多分、あいつは覚えてないけど」
「「うわ〜」」
「すごいでしょう?そのときかもね、ディーノと結婚するんだって心のどこかで思ったのは」
すると、誰かに肩を叩かれた。
「そこの素敵なレディ…」
「は?」
「今夜ディナーでも…」
「ごめんね。今夜はこの子たちとディナーなの。それに…」
男の肩を誰かが掴んだ。
「俺の女をナンパするなんていい度胸してんな」
「え…」
「「あ、ディーノさん!!」」
「あぁ、私の旦那」
「す、すいませんでした!!」
チャラいイタリア男はその場から去っていった。
むっとした顔のディーノは私の横にドカッと座り込み、私の飲んでいたエスプレッソを一気飲みした。
「あー!私の!!」
「全くお前、来週結婚式なの分かってる?」
「分かってるわよ〜。だから京子たち来たんじゃない。
あとツナたち守護者も呼んだし、ヴァリアーも…あと…」
「あー、分かった分かった。帰るぞ」
「えー!?ちょ、京子たちは…」
「ロマーリオに送らせる。あと、今後のイタリア周遊ツアーも企画しといたから」
「おぉ、やる〜♪」
その後、私はディーノに連れられ、城へと戻って来た。
「ねぇ、なんか怒ってる?」
「別に…」
「怒ってねぇよ」
「えー、怒ってんじゃん」
「怒ってねぇって」
「何よぉ…私が結婚式の準備サボってたから?」
「…」
「そうなんでしょ?ごめんね?」
「…」
私はディーノを後ろから抱きしめ、チュッとキスをした。
「来週、楽しみだね」
2016/05/08