『歴史は繰り返すのです…』











La Traviata  74








「ここはどこ?」
「…ボンゴレの…いや、世界の裏の世界さ」
ジョ…ット?








私は宙に浮いていた。
彼もまた、宙に浮いていた。
私は彼にすがりついた。








「ジョット!大変なの!チェッカーフェイスが…!
「知ってる」
「…え…」
「見てたよ、君の持つ時計から」
「どうしたらいいのか私…わからなくて…」
「…今、デーチモがタルボに会いに行った」
「え?」
「もしかしたらこの争いの連鎖に終止符が打てるかもしれない」








ハッと私はジョットの顔を見た。
それでも彼の顔は固く、私を見つめていた。









「そうしたらリボーンたちは死なずに、済むのね!?」
「…そうだな」
「ジョット?」
「…」
「ねぇ、どうしたの?」
それでもお前の運命は変えられない
「…どういう意味?」
「俺も詳しくは分からないが、お前は…オレ達とは種族が違う…だろう?」
「…」
「お前は運命を見届ける義務がある…アルコバレーノの運命も、おしゃぶりの運命も…」
「!」
「そう…おしゃぶりがどうなるのか…」
見届けなければならない、たとえ命を失っても…
「…そうだ」










ギュッとジョットに抱きしめられた。
それでも私の不安は消えず、ぽっかり穴が開いたようだった。










「そうなればお前の魂はおしゃぶりと共に何千年もさまよい続けることになる」
「うん」
…」
「大丈夫…こうなること、本当は分かってたから」
「…」
「あのチェッカーフェイスだって何百年と生きてるのよ。運命を背負った私だけ、簡単に死ねるはずがない…」
、こんなことを言ってはいけないかもしれないが…」
「え?」
オレのところに戻ってこい、今すぐ
「どういう…」
「魂が彷徨うことになれば、二度とあの世には逝けない。だが、今なら…」
「…」
「…今ならオレの元に来れる…もうお前を失いたくない…








歯を食いしばりながらつぶやくジョットに、私は微笑みかけた。








「…ごめんなさい…」
…!」
「もし最悪なことになっても、私は貴方を忘れないから…」
「本当に…いいんだな」
「…200年前、自ら命を絶ったあの日から、私の命は呪われてしまった。
 リボーンたちを助けることで、この呪縛から…この命から解き放されるのなら、私は喜んでこの身を捧げるわ」











彼の頬に触れ、軽くキスをした。
名残惜しそうに彼は私を求めたが、それを制止し、彼から離れた。











「私、貴方を愛することができて良かった…
 もし…私の魂が貴方の元へ行けなくても、悲しまないで。」
「ッ…!」
「ね?」
「…」
「お願い、ジョット…」
「…あぁ…約束…しよう」
「ふふ…もう最期の戦いが始まる…さようなら、ジョット」












私は目を閉じた。
最期の戦いが、始まる…








2016/05/08