ハァハァと格子目の床をあの尾道が駆けていた。
La Traviata 73
「チェッカーフェイス様、大変です!!
あ〜〜大変だー ハハッ
一大事の発生ですよーー ホホ!!」
「…」
「あれ?どこ行ったんだ…あのオヤジ…チェッカーフェイス様?」
「聞こえているよ 尾道」
「あっ そちら?」
すると大きな画面にバミューダが現れた。
「あっ!!その赤ん坊です!
その赤ん坊が復讐者を従え、スカルチーム全員の時計を奪ったのです!!フフッ」
「やはり来たか」
「あら?お知り合いですか?」
「うむ。昔話の登場人物さ」
「で…もう一つありまして…」
「む?」
「あの…・が…」
「が、どうした?」
「ハハッ…あの、さらわれました。その赤ん坊に…フフッ」
「なに!?」
チェッカーフェイスは歯を食いしばった。
「バミューダ…!」
※ ※ ※
「ちょっと!何すんのよ!?」
「全く…威勢のいい姫だ」
「バミューダ!!さっさと私を返して!!」
「…それは出来ない。君はこの戦いを見届ける義務がある」
「なんかそれ、前にも聞いた覚えが…どこだっけ…」
「リング争奪戦だ」
「あ!そうだ…って、なんであんたが知ってんのよ!?」
ジャラッと手足には重く冷たい物が巻きつけられていた。
身動きの取れない私は、キッとバミューダを睨んだ。
「…チェッカーフェイスから何か聞いたかい?」
「…」
「その顔は聞いたんだろうね。
そう、僕もかつてはアルコバレーノだった。
僕がこんなことになってのも全てチェッカーフェイスのせいだ」
「…」
「君もあの男と同じ種族らしいね。しかもチェッカーフェイスにとってとても重要らしい」
「私は何も知らないし、関係ない。」
「しかし、君の恋人もこの戦いに参戦しているそうじゃないか。リボーンチームでね」
「…私だって…」
「君だってマーモンチームだ。しかし時計を付けていない。君の付ける時計たただ一つ…」
ジョットの時計、それだけだ
※ ※ ※
ドタドタドタっとホテルの廊下を走るツナの姿があった。
「ディーノさん!!」
「ツナか…」
「さんが誘拐されたって…」
「…病院からいなくなっていた。復讐者の炎の痕跡があったことからバミューダに誘拐されたことは間違いない」
「そんな…」
「あいつもまた、プリーモ時代を生きた一人だ。何かあってもおかしくない」
「…」
「ツナ…」
「え?」
「俺は何も出来ない…アルコバレーノでもなけりゃあ、ボンゴレでもねぇ…頼む、を…助けてくれ」
「ディーノさん…」
「頼む…」
ディーノはツナに頭を下げた。
「頭を上げてください…絶対に…さんを助け出しましょう…リボーンたちも必ず…」
2015/05/06