カタカタとパソコンで文章を打つ音が聞こえる。
数分後、プリンターから出てくる紙を数枚まとめてホチキスで留めた。
La Traviata 68
「はい、これー。見て」
纏めた紙をリビングでくつろぐヴァリアーに配って回った。
私は、眼鏡をクイッと上げて、プロジェクターを引っ張った。
「注目!ほらほら!」
「ったく…なんだよ、姫〜」
「ベル、煩い。ちょっとザンザス!寝ない!」
「む…」
「折角私が馬鹿でも分かるように資料作ったんだからね!
ちょっと、聞いてるの?あんたに言ってるのよ、スク!!」
バシっと紙でスクアーロの頭を殴る。
何か言おうとしたが、私は無視してそのまま自分の話を始めた。
「いい?この代理戦争は、実際あんたたちでも厳しい戦いになるわ。
そこにも書いてあるけど、
コロネロの代理は沢田家光が率いるCEDEF
ヴェルデの代理は骸率いる黒曜
ユニの代理はガンマと白蘭が率いるミルフィオーレ
そしてリボーンはツナとディーノ率いるボンゴレとキャバッローネ
ここからは、私の独自ルートなんだけど、
スカルの代理はエンマ率いるシモンファミリー
フォンは決めかねてるんだけど、恐らく雲雀ね。
ここで、重要なのが皆ちょー強いってこと。
そこでマーモンと私は考えました!!」
ジャンっという効果音とともにルッスーリアが部屋に入ってきた。
「届いたわよーん!ニューヴァリアーリング!」
リングが全員の手元に届いたのを見計らって私はニッ口角を上げて言った。
「子供であろうが関係ないわ。全力で叩き潰すのよ…!」
※ ※ ※
翌日、私はまたもやの格好をして並盛中学に登校した。
「やぁやぁみなさん、バッチリ時計、つけてますねー」
「わ!さん!?」
「ツナ、今は!」
「おい!もうそんな遊び、通用するわけねーだろ!」
ドンっと出てきたのは獄寺。
私ははぁ〜っとため息を付いて獄寺に迫った。
「そんなに今から肩張ってっと、大怪我すっぞ?」
「くっ…!」
「きゃー!!君が獄寺くんに壁ドンしてるー!!!」
「ど、ドラマみたいー!!!」
そんな女子の黄色い声援に笑顔で答える私の腕をはねのけて教室に入っていく獄寺。
私はアチャーっと頭を掻いた。
「ほんと、大丈夫かね」
「さん…ホントに敵、なんですよね…」
「まぁね。マーモンに前金もらっちゃったし。
ツナとディーノには悪いと思うけどさ。この世界、金もらっちゃったらやるしかないのよ、全力で」
「…」
「だから、全力で行くから。覚悟しなよ」
放課後、私は携帯を取り出した。
『なんだぁ?』
「…どこにいんの?」
『ホテルだぁ』
「出て。並盛5丁目の廃工場…もうすぐ、始まるわ」
『ふんっ』
決戦が、始まる。
2015/02/28