おい、しっかりしろ!!
タンカを急げ!!
そんな声が他方から聞こえた。











La Traviata  56










私はそんなことよりも、壊れてしまったリングを集め、呆然としていた。






リングが…
ジョットが作ったリングが…









周りでは9代目とスクアーロが言い争う声が聞こえる。








んだとぉ ジジィ!!
「わかってくれ、スクアーロ君。
 これ以上ムダな犠牲者は出せない」
「犠牲者だぁ?
 オレ達が負けるとでも言いてぇのかぁ!!
 てめーの守護者とはデキが違うんだぁ!!
「スクアーロ君!!
 シモンの驚異は大義を超えた得体の知れぬリングの能力にある!
 強力なリングも匣も持たぬ今の君達では勝てない!!

「悪いニュースはそれだけじゃねぇ。
 エンマによって大空の7属性では最高位を持つボンゴレの至宝。
 ボンゴレリングがぶっ壊された







私の手の中にあるリングの欠片。
私は肩を震わせ、涙を堪えたが、耐え切らなくなり、涙がリングを濡らした。







「あんまりよ…あの子孫を見たコザァートが何て嘆くかしら…」








すると、私の前にカンッと杖が見えた。
顔を上げると、そこにはとても懐かしい顔があった。








「まだ光は消えとりゃせんぞ。
 モノ見えぬこの眼にもしっかりと届いておる」
あなたは…!!
 タルボじじ様!!おいでくださっていたのですか!?

「羊の世話でちと遅れたのぉ」

タルボ…?
「おぉ……お主は…変わっとらんのぉ」
「ふふ!タルボ…貴方はちょっと…老けたわね」
「全て、覚えておるのじゃろう?」
「…えぇ。」
「ジョットの嫁が“時の管理者”とはわしも予想せんかったがの。
 ほれ、や、リングをみせとくれ」
「はい」
「おー イタタ…
 こりゃまた、ひどくやられたのぉ…」









リングに触れるタルボを、私は真剣な眼差しで見ていた。








「さてさて、このリングたちは生まれ変わりたがっとるのぉ
 このまま作り直してもボコボコにされるのが関の山じゃ。
 修復ととものヴァージョンアップせのばの」
「バージョンアップ?」
「それには…おぬしの持つ獣のリングと…」
「…アニマルリングのこと?」
「それとあれも必須じゃな…」







そう言ってタルボはマントの裏からとある小瓶を出した。








「ボンゴレ一世の血、“罰”じゃ」
「一世の血!!」
「“罰”!!?」
「ちなみにじゃが、200年前のお主の血もあるぞ、
…!?
「まぁ、これは今度お主に話してやろう」

なぜじじ様が一世の血を!?
「はてのう…昔のことは忘れたわい。
 よし、これで材料は全て揃った。
 成功すればボンゴレリングは今までにない力を手に入れるじゃろう。
 だが失敗すればボンゴレリングは魂を失い、もう二度と光輝くことはないじゃろう」
「「!!」」
「確率は五分と五分じゃ。
 どうするんじゃ…10代目よ」







ツナはグッと考え、そして答えた。








バージョンアップを、お願いします!!
















2014/02/09