私が庭で日光浴をしているとガナッシュがやってきた。











La Traviata  53









姫!
「わっ!ビックリしたァ…
 あ、ガナッシュにも聞きたいんだぁ。
 9代目とザンザスとね、旅行行こうと思うんだけど、
 やっぱり最初は近場のほうがいいかな?モナコとか…
 でもね、カリブの島行くのもいいと思うんだぁ」
「継承式の日程が決まった」
「あ、シリチア島っていう手も……
 ん?継承式?って言った?今」
「あぁ。言った」
「継承式!?ツナが!?いつ!?
一週間後だ。
 もう招待状は世界中の同盟ファミリーに送ってあるからな。」
えー!!聞いてない!!」
「今言った。
 お前も、早く服着ねぇと日焼けして継承式とか恥ずかしいぞ」
わ!








水着の上にパーカーを羽織り、ジュースを口に含んだ。








「みんな行くの?」
「ったりめーだろ。お前もだぞ」
「はーい。
 お土産買ってこー」
「誰にだよ?」
「京子とハル。あの子たちにはお世話になったの」
「ふーん。」
「ガナッシュ、買い物付き合って!」
「はぁ!?俺、暇じゃねーんだよ」
「暇そうじゃん、今。車出してー
「ったく…我儘な姫さんだぜ」
「はっはっはっ!」








わざと大声で笑う。
ガナッシュは私の言うとおり、車を出してくれた。
色々と計算高い男だが、私のことをとても大切にしてくれている。





2日後、私は9代目と共に日本へと発った。
ディーノも招待されているそうだが、予定が合わず継承式前日に日本入りするらしかった。








※   ※   ※







継承式まであと5日。
私は久々に並盛中学の門をくぐった。








あれってくん!?
「そうよ!!くんよ!!転校したと思ってたー!!








久々の黄色い声援に、満面の笑みを浮かべ、はガラガラっと2−Aの教室のドアを開けた。









よっすツナ!!
「…は!?じゃなくてくん!?
「そそ!そーゆう臨機応変さが大事なんだよなぁ」
!!何しに来たんだよ!」
「隼人、久々なのに生意気だなぁ。
 このリングのおかげでさ、変装も楽チンなんよなぁ」







そう言っては中指にはまったリングを見せた。

それを見せた瞬間、後ろから殺気を感じた。
バッと後ろを見ると、見たことのない顔があった。








「あんた、誰?」
「私は鈴木アーデルハイト。あなた、そのピアスとリングは校則違反です」
「…なに?雲雀の部下?
 ごめんごめーん。すぐ帰るから」
「粛清委員会です。雲雀恭弥とは関係ありません」
「へー。そうなの。じゃあそこの古里炎真クンも一緒?」
「!」
「オレね、一度見た顔と名前は忘れないだ。
 継承式に来たんでしょ?
 シモンファミリー…すっごいイイ名前だ!








はニッと歯を見せて笑った。
それを見た炎真は目を大きく見開いた。








「ツナ、こいつと仲良くしろよ!」
「え?」
「お前らが一緒にいるってことが、俺は心から嬉しいよ」
「な、何言ってるのかさっぱり分かんないんだけど…」
「いつか分かるよ。じゃ、俺、用事あるから帰るな」









廊下でアーデルハイトと名乗った女性とすれ違う際、はボソッと言った。









「そんな殺気、消しちゃいなよ」
!?
「分からないと思った?」
「…あなたは一体…」
俺はだよ。じゃ、継承式で」








ひらひらと手を振ったが、嫌な予感しかしなかった。








でも、あれが…シモンファミリー…?


記憶とは違う感覚に、違和感を覚えた。























2014/02/09