どうだろうな











La Traviata  49









どこからか声が聞こえた瞬間、ボンゴレリングから初代守護者の顔が映し出された。







『あの子、言ってることがボスと同じだ』
『血は争えないでござるな』
『究極にいい奴ではないか』
『残念です…ボンゴレに不要な軟弱な思考ですよ』
『興味ないな』
『…てめえの好きにすりゃいいさ。いつものようにな』



『そうだな……G』





光るボンゴレリングに呼応するように、時計からも光が発せられた。







『10世よ…お前の考えにオレも賛成だ。
 オレの真の後継者に力を貸してやりたいが、あいにくそれはできない。
 そのかわり…枷を外してやろう…』







そうして現れたのはボンゴレ一世だった。
白蘭はそれを信じていないらしく、笑顔で茶化した。








「何の遊びだい?ソレは
 誰なのかな、その男は?」
「ボンゴレファミリー初代ボス ボンゴレ一世」
「!
 プリーモ?からかうのもいい加減にしてくれる?
 そんな大昔のご先祖様をホログラムで投射するなんて悪趣味にも程があるよ」
「ホログラムではないです。
 あなたもそう感じてるはず…
 これはトゥリニセッテの中でもボンゴレリングにしか起きない“縦の時間軸の奇跡”








私はボンゴレリングがオリジナルの形に戻る瞬間を目に焼き付けた。
ジョットが最初に作ったリングと同じ形だ。







「やっと思い出せたわ…
 オリジナルの…ボンゴレリングの形を…」







そう言うと、ジョットが私の方をにやって来た。
時計を胸に抱きしめ、少し後ずさりをする。








「ジョット…ご、ごめんなさい…私…」
『お前はよくオレに謝るな。
 何か悪いことでもしたのか?』
「だ、だって…私がこの時計を…復讐者から受け取りさえしなければ…」
『それがボンゴレの運命だ』
「!」
『もっと話がしたいが…今は時間がない。
 あとで3分だけ、お前にも時間をやろう…』
「え…?」
『今は10世(デーチモ)の戦いを見ておけ。
 お前が育てたボンゴレの力だ…』
ジョット!







そう言ってジョットは消えてしまった。


しかし私が涙を流している暇はなかった。
ユニが炎をおしゃぶりに供給し始めたのだ。








ユニ!!
「まて、ユニ!
 そこまでしてアルコバレーノを復活させる必要はない!!」
「いいえ。
 彼らの復活は沢田さん達が平和な過去へ帰るためにも必要なんです。
 そしてそれは多くの人々の命を救うことに繋がります…
 ようやく私の力を正しく使うための機が熟しました…
 これが私のできる唯一の賭け…そして避けることのできない
 私の運命…」

ユニ!!ダメよ!!
「お姉さまは私の最期を見届ける義務があります…」
「へ…?」
“時の管理者”は決して悪の使いではありません。







しかし、ユニの炎は大きくなるどころか、小さく小さくなっていった。


死が…怖いのね…




私はそのままユニを抱きしめた。







「ユニ…」
「お姉さま…」
「私より彼がいいのよね」
「え…」
「もうすぐ来てくれるわ」







ガシャン







私たちを覆う結界の中に入ってきたのはガンマだった。









「よぉ姫」
ガンマ!!
「やっと会えたのにまたすぐいっちまうなんて、水臭いぜ」
「…」
「ボンゴレの姫さん、悪いな」
「いいえ…」
「あんたも相当の苦労人だな」
「ふふ」







ガンマはそっとユニを抱きしめた。
そしてユニとガンマはおしゃぶりを残し、消えた。









ガンマ!!ユニーーー!!!







ツナは私の前に下り、おしゃぶりを見た。
そのおしゃぶりを私は全て拾った。







「ユニ…」
「大丈夫。私が守るわ」
…」
あの子とガンマの魂…無駄にはさせない!



















2014/02/08