既に最終決戦は始まっており、は白蘭の人質として、ブルーベルの水の中に閉じ込められていたのだ。
La Traviata 48
「!!」
なんでザンザスがここにいるの?
なんでみんな、戦ってるの?
そうよ…みんな私のせいなのよ…
「ごめ…ごめんなさ…」
「ニュニュ〜!、泣いてる?
あぁ!ブルーベルのびゃくらん取ったこと悔やんでるんだぁ。
でも出してあげないよぉ〜ん」
次の瞬間、私を包んでいた水は消え、重力に逆らえず落下していくのを感じた。
それを誰かが受け止めてくれた。
「!」
「ザンザス…?なんで…」
「あいつは危険だ。」
「白蘭…?」
「いいや。奴は白蘭じゃない」
「じゃあ…」
「ものすごい勢いで炎を…ぐっ…」
「ザンザス!!」
ゴーストと呼ばれた白蘭の分身は、ツナの零地点突破改によって吸収されてしまった。
「いやぁすごいすごい!」
「!!」
「GHOSTを倒しちゃうなんてさ♪」
「!!」
「白蘭!!」
ザンザスは白蘭から私を隠すかのように私の前に出た。
しかし上空に浮いている白蘭から隠れることは難しく、すぐに見つかってしまった。
「、起きたんだね♪」
「ッ!」
「お兄さんの後ろに隠れても無駄だよ♪
すぐに引きずり出せる」
「白蘭…俺の妹に手を出すとどうなるか分かってるんだろうなぁ」
「わ♪
シスコン?
でもね、こんな状況にさせたのって、なんだよ♪」
全員が私を見た。
ツナまでもが、白蘭ではなく、私に目を向けていた。
私はカタカタと震えながら答えた。
「ち、違うわ…知らなかったのよ…」
「200年前、君は貰ってはイケないモノを彼らから貰っただよ♪」
「わ、私は…」
「それでジョットやその子孫の綱吉君まで巻き込んだ」
「さん…?」
「…」
耳を塞ぐ私をさておき、白蘭は笑いながら言い放った。
「は復讐者から貰った時計をジョットに渡したのさ!
その…ジョットの時計をね!!」
「なっ!?」
「トゥリニセッテの最も重要な核を担う時計をがジョットに与えなかったら、
ボンゴレリングはこんな争いに巻き込まれなかったし、こんなことにはならなかったかもね♪」
「違うわ…!本当よ…本当に!本当に何も知らなかったのよ!!!」
「謝ってすまないわけないよね?
愛したジョットの子孫である綱吉君が、この戦いで死ぬことになるのに」
涙でぐちゃぐちゃになった顔で白蘭を見た。
その顔はとても、とても楽しそうな顔をしていた。
「ツナ…信じて…
私、貴方やジョットをこんなことに巻き込もうなんて…」
「あぁ」
「…え?」
「…もう泣くな。
白蘭は…俺が倒す…!!」
しかし、ツナと白蘭の力の差は歴然としてた。
その場にいたほどんどの炎を吸い取ってしまった白蘭の炎圧と
ツナの炎圧には差があったし、なによりも残酷な戦いをツナができるわけがないのだ。
私が頭を抱えていると、首から下げていた時計が光りだした。
その光は円となり、私を包み込むと、そのまま宙へと連れて行った。
白蘭、ツナ、ユニ、そしての4つの円が宙で止まった。
周りからの攻撃を一切寄せ付けないそれは、何かの因果関係でお互いがひきつけ合っているようだった。
「綱吉君もさ、ほんと不運だね♪
こんな裏社会に巻き込まれたこともそうだけどさ、
っていうボンゴレをこんな負の連鎖に巻き込んだご先祖様さえいなければ…」
「違うよ…」
「え?」
「さんがいてくれたからこそボンゴレファミリーが大きくなったんだ。
未来にきたのだって…オレがここにいるのだって…奇跡なんだ…!
みんなと一緒にいる未来の時間はオレの宝だ…
オレの炎は…お前が支配するこの時代だからこそ生まれたみんなの炎だ!
みやみに人を傷つけたために倒されることを…
後悔しろ!!」
ツナの体に炎が戻ったが、力の差は歴然だった。
「ハハ!
結局、僕と君の力の差は君が倒された時から何も変わってない!!」
2014/02/08