ツナのX BURNERがトリカブトを包んだ。
La Traviata 44
凄まじい悲鳴とともにトリカブトが飛んでいく。
それをキャッチした桔梗が私を連れて飛んでいく。
「は、なして!!」
「・、少し大人しくしてください」
「うッ…」
「ガ、ガンマ!!お姉さまが!!」
「姫、もう追いつけません!!」
「お姉さまーーーッ!!!」
空にユニの叫び声が響いた。
日本の某ホテル。
私は、気がつくとベッドに寝かされていた。
「起きた?♪」
「!?」
「そんなに驚かないでよ♪
マシマロ、食べる?」
「白蘭…!」
「君、うなされてたけど…悪い夢でも見た?」
「ッ…」
「デイモン・スペード」
「!!」
「君を死に追いやった男の名前だ」
「何故…!!」
「何故って…
この耳で聞いたもの。
パラレルワールドの君から」
「なっ…」
ベッドの端に腰掛け、クイッと私の顎を持ち上げる白蘭。
抵抗しようにも何故か身体が動かなかった。
「君もユニみたいに操り人形にしたいんだけど、そうすると時計が力を発揮しない」
「その時計にそんな力なんてない!」
「いいや、あるね。
その時計はね、一種のスイッチなんだよ。
チョイスのときにも言っただろう?
君がその時計に晴の炎を注入するんだ。
霧じゃだめだよ。
200年前の君の属性の炎だ。
すると個別だったトゥリニセッテの融合が始まる。
力が一つになるんだ。
個別では力が分散されるが、融合することによって真の力を発揮する…」
「…」
「君はいわば大切な最後の鍵なんだよ…
ボンゴレの母であり、ボンゴレ一世の最愛の女…・」
「!?」
次の瞬間、白蘭は私のキスをしてきた。
無理矢理口を開けさせられ、何かを飲まされた。
段々、視界が歪んでくる。
「びゃく…ら…」
「大丈夫♪
劇薬でも量を調節すれば魂は壊れないんだよ♪」
※ ※ ※
「を奪われるとは…想定外だったな」
「リボーン!どうするんだよ!!」
「白蘭さんもさんは殺さないと思う。
必要な存在だからね」
「で、でも…!」
「大丈夫。
お姉さまは無事です」
「ユニ!」
「でも深い闇の中で迷っています。
出口を見つけられずに…」
「どういう…」
「白蘭に心を壊されかけたのでしょう。
お姉さまはそれに耐えるために心を閉ざしてしまった」
ユニの言葉に全員が耳を傾けた。
「お姉さまはトゥリニセッテの礎を築いた方です。
200年前、初代ボンゴレと共に…」
「ユニ!?」
「お姉さまにはお姉さまの時間があります。
ボンゴレ特有の縦の時間軸…その中で今、彷徨っているのです」
お姉さま…
そう遠くで、ユニの声が聞こえたような気がした。
そして私は…闇の奥へと落ちていった。
2014/02/06