ユニの申し出に全員が絶句した。









La Traviata  42








「私だけじゃありません。
 この仲間のおしゃぶりと共に…」
「それって…アルコバレーノの!?」
「かっってに持ち出しちゃダメじゃない、ユニちゃん。
 それは僕のトゥリニセッテ・コレクションだ」
「ちがいます…これは私が預かったものです。
 それにあなたが持っていてもとぅりにせってとは言えません。
 なぜなら…」







そう言ってユニが目を閉じる。
するとおしゃぶりが光を放ち始めた。
それと同時に私の時計までもが光りだす。









「おしゃぶりは魂なくしては存在意義を示さないのです」
わ!また時計が…
「時計にしてもそうです…お姉さまがいるからこそ存在意義を示すのです」
「ど…どうなっての?何であの子が光らせられるの!?
そういうわけか!
 すごいよ、ユニちゃん!
 やはり僕には君が必要だ。
 さぁ、仲直りしようユニちゃん」
こないで!






ユニに近づいてくる白蘭。
私はユニと白蘭の間に入った。







「ダメよ、ユニには近づかせない」
、僕がユニちゃんばっかりに話すから嫉妬してるの?
 僕には君も必要なんだよ…」
「もうあなたには私たちの魂を預けるわけにはいきません」
「なーに勝手なこと言ってんの?
 それ持って逃げるんなら世界の果てまで追いかけて奪うだけだよ」







白蘭の手が私の胸に届きそうなとき、スガンと銃の音が響いた。







「「リボーン!!」」
「おじさま!」
「図に乗んなよ、白蘭。
 アルコバレーノのボスに手を出すんならオレが黙っちゃうねーぞ」
えーーー!?
 あの娘、アルコバレーノのボスなのー!?







「白蘭、何故あなたが私や、お姉さまを欲しているかはわかっています」
「…」
「わかっているからこそ、あなたの元へ帰るわけにはいきません。
 お姉さまも渡しません
「じゃあやっぱりボンゴレリングは僕らのものだ」
「ボンゴレリングはあなたのものじゃないです、白蘭」
「ん?」
「おしゃぶりはアルコバレーノのもの、ボンゴレリングはボンゴレファミリーのもの、
 時計は“時の管理者”のもの。それが心理です。
 なのにあなたは手っ取り早く安全にトゥリニセッテを手に入れるために、
 無理矢理チョイスを開催し、トゥリニセッテを賞品にしました。
 私の魂がある限り、トゥリニセッテの一角を担う大空のアルコバレーノとしてそれは許しません。
 すなわちトゥリニセッテ争奪戦は認めません。
 チョイスは無効とします!!
「む…無効!!」
「ボンゴレリングを渡さなくていいです」








プハハハッと笑う白蘭。
しかし、その顔は笑ってはいなかった。







「確かに、大空のアルコバレーノにはトゥリニセッテの運用について特権が与えられているらしいけど、
 にも同様の特権があるのはご存知かな?」
「お姉さまは渡しません!」
「それに僕を怒らせるのはどうかと思うな。
 ボスのユニちゃんが裏切ったとして、残されたブラックスペルはどうなってもいいのかい?」

「まぁ奴らユニちゃんにゾッコンみたいだから、
 煮られようが焼かれようが大喜びかもしらないけどね」
「な…それって人質ってこと!?
「みんなは…わかってくれます…」






ユニの覚悟の目。
それに私の手を握る手からはその覚悟が感じられた。
それを見たツナはユニをギュッと掴んだ。








くるんだ!!オレ達と一緒に!!
 みんな!!この子を守ろう!!

「ありがとうございます」
「え…いや…///」








それ聞いた瞬間、攻撃をしてくる真六弔花。
私はユニの手を引いて基地へと走った。







「ユニ!さぁ、走って!!
「は、はい!
 でも…みなさんが…!」
「大丈夫!スクとディーノが止めてくれるわ!
 あいつら、めちゃくちゃ強いから…!









私たちが転送システムを使って並盛に帰ったあと、
白蘭は不機嫌そうにマシュマロを頬張った。







「白蘭様、できれば我々にもユニ様とを追う理由を
 お教えいただけないでしょうか?」
「あれ?言ってなかったかい?
 僕はここ以外のほとんど全てのパラレルワールドでトゥリニセッテをコンプリートしているが、
 どの世界で集めたトッゥリニセッテも僕を新しい世界の創造主にしてくれるほどの
 偉大な力は発揮してはいない。
 パラレルワールドでのユニとの魂は壊れてしまっていたからね。
 でもこれで確信したよ。
 トゥリニセッテを覚醒させるために必要なのは魂を伴ったユニだ。
 欲しい…あの娘とが…
 わかったらさっさと追おうね♪
 一刻も早くユニとを奪え










※   ※   ※






「あいたた…腰打った…」
!!大丈夫か!?
ディーノ!?







並盛にワープした瞬間、ディーノが私の前に走ってきてギュッと抱きしめてきた。







「ちょ、苦し…」
「悪い…大丈夫か?」
「大丈夫だって。どしたの、急に」
「いや…白蘭が…」
「ふふ。ディーノさんはお姉さまがすっごく心配みたいですね」
「そうなの?」
「へ?いや、その…」
「ねぇねぇ、そうなの?







しかし私たちにのんびりしている暇などなかった。
すぐに白蘭たちが追ってくる可能性もあるからだ。
私たちはすぐにアジトに戻り着替えをすることにした。
その間に、スクはイタリアのルッスと通信と繋いでいた。







そぉだぁ!!
 腕の立つ奴をすぐに日本へ送れぇ!!

『そんなこと急に言われてもーーん』
敵の主力がこの並盛に集まって来てんだぞぉ!!
『それはとってもソソる話だけどー
 ヴァリアーは今、各地で行われたミルフィオーレとの戦いの後始末やら
 残党狩りでてんてこ舞いなのよ』
「んなの後回しにしろぉ!!
 フランはどーした!!奴の幻術が必要だぁ!!
『あの子たしか女の所へ行くっていってたわねぇ』
女だぁ!?








話の途中で通信が切れ、警報器がけたたましく鳴り響いた。
私たちは服に着替えたあと廊下に出た。







うお”おいっ!何事だぁ!!
スクアーロ!









ドンッ







大きな爆発音と共に現れたのはザクロという名の真六弔花だった。


















2014/02/05