私が未来に来て3日後、作戦室に呼ばれた。







La Traviata  34







私が作戦室に入ると既にツナ達は話し合いを始めていた。








「お、遅れちゃって…」

何!?この丸い装置を見たことがあるのか!?







何やら丸くて白い装置の話をしてるみたいだったので、私は入口のところで待機することにした。
それに気付いたのか、笹川了平が私に手招きをし、椅子に座らせてくれた。

10年前はただの中坊だったくせに…

と思いながらも、10年でこんなに変わるのか、と関心した。








「でだ、。お前を呼んだのは他でもない。
 2日後の作戦には参加しないでほしいということを言おうと思ってな」
はい!?








急にラルが私に話を振って来たことで、声が上ずってしまった。
リボーンや了平以外もそのことを知らなかったらしく、驚いた表情でラルと私を交互に見ていた。









そんな…!さんはオレたちより戦闘能力があるのに…」
「そうだ!を使わないと勝てないって言ってたのはアンタだぜ、ラル・ミルチ!」
「あぁ。最初はそう思っていた。
 だが、大幅な内容変更を余儀なくされたのだ。意義は認めん」
「ちょ、ちょっと!私もちゃんとこの時代の戦い方はマスターしたわ!
 リングに炎だって灯るし、ボックス兵器だって持ってる!足でまといには…」
意義は認めんと言ったはずだ。
っ!








それだけ言って出ていくラル・ミルチ。
ツナたちも修行だと言ってそれぞれの家庭教師に連れて行かれてしまった。
そして作戦室に残ったのは、私と了平、フゥ太だけになった。







姉…元気出して」
「…ねぇ、了平。
 私が外されたのって、この時計のせいでしょ?」
「…」
「なんとか言ったらどうなのよ。これが、敵に渡ったらダメだからでしょ!?
そうだ
「!」
「『ジョットの時計』の伝説はボンゴレの首脳たちでも信じてないヤツも多い。
 だが、、お前の存在と時計がある以上、『もし伝説が本当なら』という仮説を立てねばならん
「…」
「今回は前線ではなく、バックに回って俺たちを援護してくれ」









机の上に出したゴールドのボックス。
それを私の手の中に戻すと、了平は静かに部屋を出て行った。
フゥ太もまた、心配そうに私を見ていたが、了平の後を追って出て行ってしまった。




作戦前日、前哨戦パーティをするからビアンキが私の部屋までやって来た。








行かない
「…何スネてんのよ。あんたも一応、成人でしょーが。お酒もあるわよ」
「行かないったら」
「前線は男に任せればいいのよ。」
「…理由が気に食わないの。あんなの、持ってこなければ良かった」
「この未来のあんたが考えたことなんだから、文句言わないで。ほら、行きましょ」








渋々夕食には顔を出したが、あまりモノが喉に通らなかった。
戦いに参加できないことで拗ねてることにしたが、私が不機嫌なのはそのせいではなかった。

ジョットの時計の伝説だ

この時代ではどれだけの人間がその伝説の詳細を知っているのか確かめたかった。
本当だと信じている馬鹿なヤツがどれだけいるのかも。





深夜、シャワーを浴びて廊下を歩いていると、ふと空気が動くのを感じた。
パッと後ろを振り向くと雲雀恭弥が歩いていた。








「…さすが、スパイだね」
「…こんなところで何してるの?」
「寝る前の散歩かな」
「信じられるわけないでしょ。じゃあね」








雲雀の何もかも見透かすような目が今の私には嫌だった。
それだけ言うと雲雀に背を向けて立ち去ろうとした。








「…君に朗報だよ」
「!」
「跳ね馬…イタリアを発ってこっちに向かってるよ」
「…生きてるの?」
「未来の君は待ってるって約束してたみたいだし、じき会えるよ」
「…なんでそんなこと教えてくれるの…」
「さぁ…なんでだろうね」








その3時間後、奇襲攻撃をかけてきたミルフィオーレに雲雀が一人で向かったという知らせが入った。
戦いは深夜、不意を突かれて始まってしまった。

















2014/02/02