青い空!
白い雲!!
それに青い海!
白い砂浜!!
これぞ、リゾート!!
La Traviata 12
プライベートジェットから降り立った。
サングラスをしていても眩しいくらいの太陽が彼女を包み込む。
それと同時にカシャカシャッ!とカメラのフラッシュが彼女に浴びせられた。
「様!!一言お願いします!」
「久々のマフィアランドをどどのようにお過ごしする予定ですか!?」
「ごめんねー、ノーコメント」
「・さん!キャバッローネ・ファミリー10代目ボス・ディーノとの破局は真実ですか!?」
「!」
パパラッチや記者、全ての人物の動きが止まった。
は笑顔から急に真顔になり、その言葉を発した記者の前にカツカツと進んでいった。
「ヒッ!」と小さな悲鳴を上げた記者。
サングラスを外し、その記者を睨みながらは口を開いた。
「…それ、誰が言ったの」
「そ、それは…あの…」
「まぁ、すぐ分かることだけど。そいつに言っといて」
「は…」
「殺す…って」
それだけ言うとはまたサングラスを付け、カツカツと車の方に歩いて行った。
そのあとを間を開けずに追っていく記者団。
その時のテレビ中継が、マフィアランド行きの豪華客船で流されていた。
『ごめんねー、ノーコメント』
「ぶっ!!」
「やだぁ、ツナ、汚いわよぉ」
「さん!?」
嫌な予感がするツナであった。
※ ※ ※ ※
がマフィアランドに到着する数時間前、ディーノは先に島に到着していた。
「久々だな…」
「マフィアランドに来るのが、か?ボス」
「ちげーよ、ロマーリオ。に会うのが、だよ」
「ったく…ボスはさんを怒らせてばっかだな」
「あれはマジで事故だっつの」
先にホテルに入っていった。
そのことを知ってか知らずか、もホテルに入った。
追っかけやパパラッチはホテル内には入れないので、外で塊を作っていた。
豪華絢爛なロビー。
少し入ると、ディーノが立って待っていた。
「…」
「キスして」
「…は?」
「ここで、キスして」
「おい、人目が…あるだろ」
「私は気にしない」
それでも動こうとしないディーノには溜息を付いた。
そしてそのままカウンターに行こうとした。
その瞬間、ディーノに腕を掴まれ、振り向きざまにキスをされた。
挨拶のような短いものではなく、長い長いキスだった。
「これで満足か?」
「ッ!///」
「ほら、これで注目の的だ。外のパパラッチも」
「…」
「こっち来いよ、部屋取ってるから」
「ディーノ…」
「ん?」
「私、我儘だけど。それでもいいの?」
「はっ!愚問だな」
「なっ!?」
「それだけ俺に尽くしてる。だからこれくらいの我儘、どーってことねーよ」
頭をくしゃくしゃっと撫でるディーノ。
その仕草は雑だけど、愛があった。
先を歩くディーノの手を、はギュッと握った。
「ねぇ、あとで遊園地行きましょ!」
「遊園地?別にいいけど」
「やった!」
ディーノとの公開キスの写真は、
ツナ立ちが乗る客船の船内新聞の一面を飾っていた。
「まぁ、これ、ディーノくんとちゃんじゃない?」
「ぶっ!?」
「まぁツナったら〜!汚いって言ってるじゃなーい!」
「か、母さん…さんのことも知ってるの?」
「えぇ!この前、ウチに挨拶に来てたわよ?綺麗な人ねぇ」
「(この人たち、仲いいのか悪いのか、分かんないな…)」
その数時間後、ツナたちは長い船旅を終え、マフィアランドに着いた。
「着いたーッ!」
「最高にステキねー!!」
「Chao!ツナー!リボーン!」
「さん!とディーノさん!!」
「お前ら、船内新聞の一面を飾ってたぞ」
「ウソ!マジ?」
「あぁ。ほら」
リボーンに投げてよこされた新聞をサングラスをとってマジマジと見つめる。
その様子にディーノは溜息を付いた。
「ほらな、言ったろ?」
「うるさいなー!いいの!見せつけてやったんだから!」
「…誰に?」
「ディーノを狙う全世界の女よ!」
「いやいや…そこまでしなくても…」
ディーノの話を最後まで聞く前には彼の隣から消えていなくなっていた。
ふと見ると、はツナの母親に挨拶をしていた。
「ツナのお母さん!お久しぶりですー!」
「まぁちゃん!いつ見ても綺麗ねぇ」
「そんなこと!お母さんも綺麗ですよ!」
「まぁ!ところで、この前はオリーブオイルありがとう」
「使いました?あれ、イタリアでも有名なんです」
「そうなの?すっごく美味しかったわ!」
そんな二人を見てディーノとツナはボケーっとしていた。
「じゃ、ツナ。私たち帰るわね」
「え?!早くないですか!?」
「お前らより先に着いてたからな。仕事もあるし」
「そうなの。私も仕事が溜まってて。ゆっくりしてね」
「あ、ありがとうございます…」
「ホテルで私の名前言ったらスイートに通してくれるはずだわ」
「は!?」
「いつもお世話になってるお礼よ!楽しんで」
チュッとツナの頬にキスをした。
「おい!!!」とディーノは叫んだが、お構いなしで手を振る彼女。
そんな彼女のあとを追いかけるディーノを見ていたせいか、ツナは自分の顔が真っ赤なことに気づいていなかった。
「ツナ、顔が赤いわよ」
「わっ!ビアンキ!」
「は綺麗よね。私でも惚れそうになるもの。何故かしら」
「綺麗だからじゃないの?」
「うーん…彼女の笑顔、ちょっと寂しそうだからかも」
「え…」
ツナはディーノとの後ろ姿を見つめながら考えた。
2013/11/09