姉!!
フゥ太!!








La Traviata  09








並盛の商店街で感動的な再開を果たす、女性と少年。
ぎゅっと抱きついた、少年の頬はぷにぷにと柔らかかった。
その女性、はフゥ太の顔をマジマジと見つめると、立ち上がり、彼の手を取った。








「ケーキ、食べよう!」
「うん!!」







フゥ太と呼ばれた少年は、の手を取り、歩き始めた。


ホテルのカフェスペース。
そこにとフゥ太はいた。
たくさんのケーキが並べられ、フゥ太はそれを食べていく。
はそんなフゥ太を見ながらニコニコしていた。








「ねぇ、なんでいきなり日本なんかに?」
ツナの兄キに会いに!
「ツナ?なんで?」
「半年に一回の更新に来たんだー!この前は総合最下位だったからちょっとは順位上げてほしいなぁ」
「あははー(上がってないと思う…)」
「それに…」
「?」
「僕、追われてるんだ」
「え?」








フゥ太曰く、トッドファミリーにランキングブックを狙われているらしかった。
そこでボンゴレ10代目に挨拶がてら、ツナにかくまって貰おうと日本にやってきたそうだ。
ツナは野望のないボスランキングで一位らしく、フゥ太の中ではとても優しい人という位置づけだった。








「そっか!じゃあ、一緒にツナん家行こ!」
姉、ツナ兄と知り合いなの!?
「まぁねー!じゃあ、明日の昼2時に駅前集合でいい?」
「うん!やっぱ姉は頼りになるなぁ」
「そりゃあフゥ太のためだもーん!」








はフゥ太を弟のように思っていた。
スパイという役柄、情報はとても重要なアイテムだった。
そんな情報の中でもランキングという形でその情報を公開できるフゥ太は必要な存在だ。
フゥ太にとってもは良き仕事相手であり、プライベートでも仲のいい姉的な存在になっていた。

翌日、は学校を休み、2時に駅前に到着した。
周りに注意してたが、やはり怪しい3人組がちょろちょろとしていた。
そんな中フゥ太がやってきた。







姉!!
「あ、来た!さ、行こっか」







私はわざわざ回りくどい道を進み、相手を巻きながらツナの家に向かった。
リボーンには話してあったので、二階の窓から家の中に入った。
ツナの家の二階の高さだったらひとっ飛びだった。








「あれ?まだツナ帰って来てないの?」
「あと30分もすれば帰ってくる。よぉ、フゥ太」
「リボーンだ!はじめまして!!わー!!嬉しいなぁ!!あのリボーンに会えるなんて!
「オレも嬉しいぞ、フゥ太の噂はから聞いてる」
姉、リボーンとも仲いいの!?」
「まぁ、同じボンゴレだし。リボーンの腕は見てて惚れるよ」
…惚れてるの?
「いやいや!例えよ、例え!!









そんな話をしていると、「ただいまー」とツナが帰って来た。
「おかえり」と3人で部屋に招き入れると、予想通りの反応をしてくれた。








さん!?なんで!?
「フゥ太連れてきた!」
「フゥ太って…君は体育の時の!!」
「ん?学校行ったの?」
「朝、暇だったから。やっぱり総合最下位だった…」
「総合最下位って…?」
「まぁツナ、もうちょっと体育頑張ったほうがいいと思うよ」
何ですか、イキナリ!!








フゥ太はマフィアに追われている旨をツナに話した。
もちろんツナは「おっかねー!!無理だよ!」と拒否したが、
フゥ太の小動物のような目に、きっぱり断ることはできないようだった。









さんも協力してあげたらいいじゃないですか!」
「私!?私はさ、凶暴なマフィアはちょっと…」
なぁ!?
「だって、殴り合いとかなったらヤじゃなーい!!」
「(なんだ、この人…)」








ガーンと顔から血の気が引いていくツナだが、
家の下には既にトッドファミリーが張り付いていた。








「ま、まぁ…とりあえずここから離れよう…」

バァ!!!
わぁ!!
「わっ!びっくりしたァ」








裏口から出た瞬間、ランボとイーピンが出てきた。








「何やってんだ、おまえら!」
「ヒマつぶしっ」
「あ、ランボ!」
「ん?この女の人だれ?」
「私っていうの。よろしくね」
「ガハハハッ!オレっち、ランボさん!友達になってやってもいいぞ!」
「ほんと!?ありがとー!」









とか言ってる間に門前にいた男たちが裏に回ってきてしまった。
「ひぃっ!」と叫びながら逃げるツナと
しかしは通りに出ると、トッドファミリーの前に仁王立ちになった。









「ちょっとあんたたち!子どもに本気なんて、マフィアの風上にもおけないわね!」
「なんだぁ?こいつ…」
「リーダー、こいつ確か…ボンゴレの姫ですよ!」
「はぁ!?か!?









その瞬間、空間が歪み、重力がなくなった。
フゥ太がいきなりランキングをし始めたのだ。








「ここでは、リーダーよりロッシが仕切ってると思うよ、姉」
「ホント!?さんきゅ!」
「あと、姉に一番惚れやすいのはリーダーのパレオだから、ヤツだけに狙いを定めてもいいかも」
…へぇ








ボキボキと指を鳴らすに少し身を引く3人。
すると、ズカンズカン!と銃声が聞こえ、の前に死ぬ気のツナがやってきた。
あとは死ぬ気のツナが倒してくれたので、の出る幕ではなかった。

狙われていたフゥ太はといえば、ランキングが外れたことに大はしゃぎしていた。







「ところで、さん、戦えないのにどうして前に出たんですか?」
「え?それはねー」
「違うよ。ツナ兄。
 姉はね、美人マフィアランキング1位・愛人人数ランキング1位・スパイランキング1位
 柔道ランキング5位・脚力ランキング15位、その他多数一位獲得の正真正銘のマフィア界一位の美人スパイなんだ!
「へ、へぇ…(ほんとに凄いんだ、この人…)」
「どうだ、ツナ!参ったかー!
「いやいや!あなた、さっきウソ付いたでしょ!普通に!!
「そう?」









そんなとのやり取りにツナはふと、思うのだった。








「(なんか…くんに…似てる?)」

















2013/11/04