やばっ!遅刻!!









La Traviata  08











時計はまさかの午前10時を指していた。
はガバッと布団から飛び起きると、急いで服を来た。
昨夜は夜遅くまでディーノと一緒だったから、気を抜いていた。
カプチーノを一気に飲み干すと、部屋から飛び出した。


「なんで学校行くのにこんな必死になってんだ?」


電車に揺られながらふと考えていた。







いつもは閉まっている門が開いていた。
なんで開いているんだろう?と疑問に思いながらも教室まで急いだ。


今日の廊下には父兄らしき人が多かった。
教室のドアも開いているところが多かった。


私はやっぱり疑問に思いながらも自分の教室のドアを開けた。







ガラガラッ








!今頃!!」
「ちょっと気ィ抜いちゃって…今日、なんかあるんスか?」
「おまっ!プリント渡しただろう!?」
「あー。そんなのすぐ捨ててるし。で、なんですか?」
「授業参観だ!!」
ジュギョーサンカン?








後ろを見ると、教室の中にも父兄がたくさんいた。
目の前でやる気のなさそうに座る獄寺に聞いてみた。








「なんだ?ジュギョーサンカンって」
「さぁ?」
「日本独自の制度か!」
「はぁ?さっさと座らんか!」
「はいはーい」







父兄からは「なんなの?不良?」「素行の悪い子だわー」という声が聞こえ、
クラスの女子からは「くん、素敵!」「今日もかっこいい!」というセリフが聞こえていた。

担任は「すいません。先日イタリアから転校してきたばかりでして…」
というフォローが入った。
内容は数学。
の一番苦手な科目だった。








「じゃあこの問題を!」
「分かんないっす」
「いやいや、ちょっとくらい考える素振りを見せんか!」
「だから数学無理って前からゆってるじゃないっすか。だから獄寺にパスッ!
はぁ!?俺に振んなよ!」
「いーじゃん。お前、頭だけはいいだろ」
「“だけ”ってなんだよ、“だけ”って!!
「分かった分かった!!じゃあ、獄寺、変わりに答えてやれ」
「…√3」
「そうだ。もこれくらいは解けるように…」





はーい!!








先生がの前に立って説教をしていると、
黒板の方から子供の声が聞こえてきた。









100兆万です!!
「ランボ!!」
「(ランボ…?)」








ツナがランボの名前を叫んだ。
当のランボは「ランボさん、九九もできるんだよ!」
と訳も分からない九九を暗唱していた。

はガタッと椅子から立ち上がると、ランボを抱き上げた。








「お前、ボヴィーノんとこのガキか?」
「お前誰?ランボさんのこと知ってんの?」
「俺はってんだ。ボンゴレだよ」
ガハハハッ!ツナと一緒だな!!ランボさんの敵!」
「お前の敵はリボーンだろ。俺はお前のとこのボスと知り合いなんだ」
「ボスと?じゃあランボさんとも友達になる?」
「おぉ!」

「すいません、うちの子なんですー!」
ママン!!
「沢田のママンじゃん」








は抱いていたランボをママンに渡した。







「ちょっと母さん、なんでチビたち連れてきたんだよ」
「さぁ…」
「さぁってなんだよ!!訳が…」

『私よ。
 隼人の授業参観についていきたいっていうから』







でーんっと現れたのはビアンキ。
それを見て倒れる獄寺。
は頭を掻きながら苦笑いをしていた。








「…なんで皆来るんだ?」
…」
「おぉ、ビアンキ。また会ったな」
の従弟とかいうヤツ」
「俺、信用されてない?」
は信用できるけど、あんたは信用しない」
「そ。まぁ、いいけど。早く獄寺連れていってやんなよ」
「言われなくても」










獄寺を連れて行く先生たちを見送っていると、ちょんちょんと誰かに肩を叩かれた。









「ん?だれ?」
「俺だ」
「リボー…ん?」
代打教師のリボ山だ
「…へ?」
「(何やってんだ、リボーンのやつ!!)」
「父兄の皆さんも何卒よろしく。さて、、さっさと座れ」
「あ、あぁ…」








ストンと席に着くと、いつのまにか黒板にはぎっしりと数式が描かれていた。
NASAレベルの問題に誰もが引き気味だった。






「ちなみにこの問題を解いたヤツは、いいマフィアの就職口を紹介するぞ」
「(リボーンのヤツ、マジでクラスからファミリー候補探す気かよー!)」
はい!
「…か」








それを聞いた瞬間、は勢いよく手を上げた。







「あの、俺、もうマフィアなんで、ちょっと早退します!」
「まぁ、お前は一流だからな。行っていいぞ」
グラツィエ!リボー山せんせっ!
「ちょ、くん!!
「おぉ、ツナ!また明日な!」
んなーーーッ!!








叫ぶツナに笑顔で手を振ると、はそそくさと教室から出た。
帰り際の廊下で、の携帯が鳴った。

メール画面を開き、要件を見た瞬間、はニッコリして、携帯を閉じた。







ふう太が来る♪

















2013/11/03