どのケーキにしよっかなぁー!









La Traviata  07











とある日曜日。
私はケーキ屋さんに来ていた。







「えっとね、ここのミルフィーユは外せないんだぁ」
「はひ!お姉さん、ハルと一緒です!
「…へ?」







後ろから声を掛けられ、私は後ろを見た。
そこには、三浦ハルがいた。
私と彼女は初対面。
だが、私は彼女を知っていた。
緑中に通う頭のいい女の子。ツナのことが好きで赤ん坊も好き。










「私、三浦ハルっていいます!ここのミルフィーユが大好きなんです!」
「そうなんだ。私、。よろしくね」
「お姉さん、お綺麗ですぅ〜!ハルも将来、お姉さんみたいになりたいです!」
「あはは!私よりきっと綺麗になるわ。あなた、可愛いもの」
「はひ〜!お姉さん、ここでケーキ食べていきましょう!」
「うん!そうしよう!私がおごってあげるから、好きなだけ選びな」
「はひ!お姉さん、お金持ちですか!」
「あなたよりはね」










ハルがあれやこれやで悩んでいるとき、カラカラ〜ンとケーキ屋のドアが鳴った。
そして入ってきたのは、笹川京子だった。
私は笹川京子とも初対面だった。
だが、京子の兄の了平のことも全て知っていた。








「はひ!京子ちゃん!
「あ、ハルちゃん!ケーキ買いに来たの?」
「このスレンダーでお美しいお姉さんとおしゃべりしてたんです」
「へ?」
「あぁ、私、っていうの。あなたは?」
「私は…笹川京子です」
「京子ね、あなたも一緒に食べない?ケーキ」
「はい!」









奥のカフェスペースに座る3人。
テーブルの上にはたくさんのケーキが乗っていた。









「好きなだけ食べていいよー」
「「いっただっきまーす!」」








美味しそうに食べる二人をはニコニコしながら見ていた。









さんは食べないんですか?」
「はひ!お姉さんも食べましょーう!」
「うん。でもあなたたち見てたら面白いから」
「「え?」」
「好きなものに食らいつくのって、いいなぁと思って」
「「?」」









私はコーヒーを口に含み、話しを続けた。








「好きなものに囲まれて、好きなものを食べて、好きな人と一緒にいる。
 これが一番だってこと!」
「お姉さんは、好きな人、いるんですか??」
「うーん。一応…?」
「わー!ハルもそんな人、欲しいですぅ!」
「京子は?」
「わ、私は別に…」
「へぇ〜?」
「ほ、ホントですよ、さん!!///」









ショートケーキの上に乗っている苺を掴むと、はそのまま口に入れた。
ふと窓の外を見ると、見慣れた赤のフェラーリが止まるところが見えた。









「あ、迎えが来た。これ、好きなだけ食べて帰って」
「「へ!?」」
「余ったら持って帰られるように言っとくから」







スーっと出て行くの後ろ姿を京子とハルは見つめていた。
外で、長身の男性と抱き合うの姿もばっちりと見ており、
二人は顔を赤くして、俯いた。








「あれって…ディーノ…さんだったっけ?」
「えぇーっと。お正月に会いましたっけ?」
「うん。さん、ディーノさんと付き合ってるんだねー」
はぇ〜!大人の世界ですぅ…」










※ ※ ※ ※








カラカラ〜ンとドアのベルを鳴らし、外に出た
それと同じくして、ディーノが運転席のドアを閉めた所だった。








「ったく、人使い荒いヤツだな」
Grazie,Dino!(ありがと、ディーノ)」









そういうとはディーノに抱きつき、頬にキスをした。








「…どした?」
「え?別に…ちょっと寂しくなっちゃって」
「お前もそんなことあるんだな」
「何それ。もうしてやんない。」
「わわ!悪かったって!」
「あは!ディーノ、明日帰るんでしょ?その前にご飯行きましょうよ」
「そだな。何食いたいんだ?」
「んーとね、焼肉!」








私は、そのまま車の助手席に乗り込んだ。
ディーノもそれを確認すると、車に乗り込み、発車させた。








「んー?」
「ケーキ屋で誰と話してたんだ?」
「内緒☆」
「は?」
「男には分からない、乙女の世界なのよ」
「…なんだよ、それ」
「今度、本場のティラミスを食べさせてあげなきゃ!」
















2013/11/02