校舎裏には、案の定、煙草を獄寺が眉間にシワを寄せながら立っていた。












La Traviata  04










「やっときたか…待ちくたびれたぜ」
「じゃあ起こしてくれてもいいじゃんよー」
果てろ!
…はぁ?









自慢のボムを投げてくる獄寺。
は状況を理解する間もなく、爆炎に包み込まれた。









「ったく…9代目専属か何かしらねーが…こんな奴がボンゴレに…」
「…こんな奴って俺のことかー?」
!?








無傷の
服には砂埃も焼け焦げた跡もなかった。








「ってかさ、お前、マフィア舐めすぎ」
ッ!
「いーと思うよ?沢田綱吉に忠義尽くしてさ。日本でマフィアごっこしてれば
「なっ!」
「そんなんしてっと、殺されんぜ?本国の殺し屋に」









そう言っては隠し持っていた銃を獄寺の額に押し付けた。








「そこまでだ」
「「!!」」









知った声が聞こえた先を見ると、リボーンがちょこんと立っていた。
その後ろでぜいぜい言いながら走ってくるツナを見かけた。








「おい、リボーン!獄寺くんとくんが喧嘩なんて…ウソ…」
じゃねぇぞ
は!?ちょっと二人共!何してんの!?

「いやー、俺は獄寺に呼び出されたんだっての」
「ちっ!」
「もう二人共、仲良くしなよ」
「これからウチに来るといいぞ。」
「ちょ、リボーン!」
「ママンが美味しいハンバーグ、作って待ってるからな」








※ ※ ※ ※








「まぁー、ツナのお友達!?ゆっくりしていってくださいねぇ!」
「はいー!ありがとうございます!」








ツナ、リボーン、ランボ、獄寺、という珍メンバーで食事をする。
は美味しそうにハンバーグを頬張った。
そんなを獄寺は睨んだまま、ポテトサラダを口に含んだ。







「うんめっ!ツナのママン、料理上手いのな!」
「別に普通だよ…どこの家でもこんな感じでしょ?」
「俺、家庭ないから知らね
「…え?」
「俺さ、ちっさい頃、捨てられて9代目に拾われたんだよ。
 だから9代目は親同然ってわけ。イタリアでは結構多いんだよ、捨て子っての?
 で、マフィアが拾って殺し屋に育てる。ま、使い捨てってやつだな」
「そう、なんだ…」
「でも9代目は別だぜ?むしろ俺がスパイになるっての大反対だったし。だからさ、ツナ」
「え?」
「9代目を毛嫌いしないでくれよな」
「べ、別に…してないよ…」
「じゃあいいけど!ごちそうさまでした!俺、帰るな!」







綺麗になったお茶碗の上に箸をのせて立ち上がる
ツナは驚いたように口を開いた。








「もう帰るの!?」
「あぁ!明日、仕事なんだ。」
「え、学校…」
「んなもん、休むよ。じゃ!」
くん!
「あ!獄寺!!」
「あぁ?」
「ハンバーグ、残すなよ!」
余計なお世話だよ、馬鹿!









玄関で靴を履いていると、毒サソリ・ビアンキが入ってきた。
と目を合わせて、そのまま無視を決め込み、そそくさと家の中に入っていった。








「毒サソリ!」

「ビアンキ、だろ?」
「あんた、誰?」
ってんだ。よろしく」
「聞いたことない」
「俺はあんたを知ってる」
「?」
「じゃーな」








帰り道。
電灯だけが頼りの道をは一人で歩いていた。

ツナの家は正直、いずらかった。
入った瞬間から、暖かい感じがした。
いつも賑やかで、心配してくれる人がいて、そんな日常が想像できたから。








「あんなんで、10代目なんて…務まるのかねぇ」






















2013/10/24