「へぇ…ここに10代目がねぇ…」
La Traviata 01
一人の女性が日本の空港に足を付けた。
荷物を持って税関を抜ける。
彼女の荷物は一つの小さなスーツケースだけ。
他の荷物は税関を通り抜けられないため、「運び屋」に任せてある。
彼女は有名ブランドのバッグからサングラスを出し、かけた。
モデルのようなスラッとした長い脚、それを魅せるようなヒールがコツコツと鳴り響く。
誰もが彼女を二度見した。
しかし当人は気にも留めず、外に留まっているタクシーに乗り込んだ。
「並盛へ…」
その頃、並盛中学では…
「いでででっ!?なんで、お前がいるんだよ、リボーン!?」
「来たか…あいつが」
「誰が!?」
ツナはリボーンにシバかれていた。
***
翌日、ツナは朝からあくびを飲み込んでいた。
一番前に座る獄寺はまた足を机の上に投げ出している。
時たま後ろを向いて、ツナに何やら合図を出してくるのだ。
「(何やってんだ、あの人…)」
ツナは唖然として獄寺を見ることが日課となっていた。
そんな時、担任が教室に入ってきた。
「秋もそろそろ半ばだが、またうちのクラスに転校生が来た。」
「(え、また〜〜〜?)」
「さ、入ってくれ」
ガラガラッと教室のドアを開けて入ってきたのは、
細見で背の高い綺麗な顔をした男子生徒だった。
「Chao!」
「(んなっ!?もしかして…)」
「俺の名前は!よろしくな!」
「(いや、まだ分からないし…)」
「そのまま自己紹介してくれ」
「Va bene!!(オッケー!)
出身国はイタリアで、趣味は変装すること!
特技はぁ、多分50ヵ国語は話せるぜ☆あとは、射撃かな」
「んなぁぁあ!?」
「ん?お前は?」
「え、あ…」
「静かにせんか!沢田!」
「沢田…?」
と名乗った少年はジッとツナの顔を見た。
そして、フンッと鼻で笑った。
それを見た獄寺はバンッと机を叩いた。
「お前…新入りのくせして10代目を鼻で笑っただろ、あぁ!?」
「ご、獄寺くんッ!!」
「10代目!こんなやつ、オレがぶっ殺して…」
「あはははっ!!」
「ぇ…」
「な、何がおかしいんだよ!?」
「信じらんねぇ!こんなぽけーっとした奴がボンゴレ]世(デーチモ)!?
今後のボンゴレもたかが知れてるな…!」
すると真顔に戻ったは後ろポケットから銃を取り出し、ツナに向けた。
ザワザワしだして教室内で、担任も声が出ないようだった。
「Addio(さよなら)、ボンゴレ]世(デーチモ)」
ズカンッ
銃声が教室内に響いた。
「10代目ッ!?」
「ゲホッゲホッ…な、なに…って、えぇえ!?」
ツナの額には吸盤付きのおもちゃの矢が引っ付いていた。
それを見た生徒たちは大爆笑。
銃をぶっ放した当の本人も腹を抱えて笑っている。
「あっはっはっ!ほんとに撃つわけねーじゃん!お前ら、バカ!?」
「てめぇ…」
「おぉ、怖ッ!キレんなよ、スモーキンボム」
「!?」
「ま、あとでゆっくり話しようや。な、ボンゴレ」
「(もしかしてオレのこと…かな…)」
「お前のことだよ、沢田綱吉」
「ひぃっ!」
そういってイタリア人転校生のは空いていた席についた。
ツナは大きな溜息を付き、頭を抱えた。
なんで変なのばっかり来るんだよぉ!!
2013/10/21