あっつーい…!
「ははは、は本当に暑がりだね」
「いや、この暑さは異常でしょ」






プールサイドで私はうちわを思い切り扇いでいた。
そんな私の横で涼しそうに笑うのは真琴。
彼は水着姿で、しかも水の中に入っているからこのうだるような暑さが分からないんだろう。
そんな彼に私は「えいっ」と水をかけた。







「わ!ちょ、…」
「お返し」
「俺、何もしてないよ」
「してる。水の中に入ってる」
も入ればいいじゃん」
「水着持ってないもん」







あははー、と苦笑いする真琴に、私はまたバシャっと水をかけた。
今日は土曜日で私たち以外に学校のプールには誰もいなかった。
本当は来るはずだったハルも、今日は何故が用事があると言い出した。
つまり、私たち二人だけ。
真琴が自主練をするというから付き合っているのだ。
腕にはストップウォッチ、首にはタオルを巻いて。







「ちょっと休憩しよっか」
「うん。飲み物持ってくるね」
「ありがと」






プールから上がる真琴にタオルを渡し、日陰に置いてあったバッグから水を取ってきた。
私は彼の隣にしゃがみ込み、彼の腕に触れた。







「すごいねー、筋肉。そりゃ、江ちゃんも絶賛するわ」
「江ちゃんの一番は凛だけどね」
「でも私の一番は真琴だから」
「あれ?も筋肉ファンだったっけ?」
「真琴のだけ、ね」







なんか急に恥ずかしくなって俯いた。
そんな私の頭をポンポンと優しく撫でてくれる感覚が心地よくて、ふと顔を上げた。

その瞬間、






チュッ






短く、軽いキスをされた。









「まっ…!///」
が可愛いからいけないんだよ」
…ッ!
「そろそろ帰ろっか」
「うん…」
「…物足りない?」
「へ?」
「そんな顔してるから」








私は真琴の笑顔に弱い。
可愛いっていうかなんていうか…癒される。
でもそれだけじゃなくって、そんな笑顔もちょっと意地悪な笑顔に変わるときがある。
まぁ、今の顔なんだけど。







「着替えてくるから更衣室で待っててよ」
「真琴…!」
「帰ったら、もうちょっと長いキス、しようね」
「!///」







そんな意地悪な笑顔が一番好きなんて、死んでも言えない…!











スマイル・スマイル









「ねぇ、
「え?」





チュッ






〜!!///
「誰も見てないし」
「ここ、道だよ!?」
「だってして欲しそうな顔してたよ」
「もー!!」
「はは、可愛いなぁ、もう」







真琴には、一生勝てない。















2014/07/12