THANKS FOR CLAP!  
   


D.Gray-man神田夢A


私がカツカツと足早にホームの廊下を歩いていると前から見慣れた顔が見えてきた。
ブックマン.Jrであるラビだ。
ラビは私を見るたびニッと意味ありげな笑みを浮かべ、私の隣に付いた。



「私に何か用?」
「別にー。なんでユウと一緒じゃないんさ?」
「…いつも一緒なわけないじゃん」
「喧嘩?」
「!!」



私はキッとラビを睨んだ。
ラビは両手をあげて、冷や汗を流しながら言った。



「そ、そんな睨まなくても…」
「うるさい。黙れ」
「美人さんに怒られるのは慣れてるさぁw」
「…殺す」
「ご、ごごごめん!!オレ、ユウの機嫌悪い理由知ってるさ!」
「…マジ?」



私とユウが喧嘩してる理由はユウが一方的にグダグダ言ってきたから。
だから私も怒ってそれから口をきいてない。
その理由をラビが知ってるって言うんなら聞いてやろうじゃないの!



「ユウが怒ってる理由は…」
「…な、何よ…」



ジーッと私を見つめるラビの目。
私は少したじろぎながらもその理由を聞いた。
その理由はアホらしくて言えないわ。
ラビには俺に私のみぞおちパンチを食らわしてやったんだから!



「恩を仇で返すとはこのこと…さね…」



でもラビの言ったことも少し気になった。
私は平静を装いながらもユウの姿を探した。
すると、ユウは一人鍛錬場の2階バルコニーで精神統一をしていた。



「…ユウ…」
「…」
「ユウちゃーん?聞こえてるでしょ?」
「…」
「返事くらいしなよー。ユウちゃ…」
「…その呼び方やめろ」
「聞こえてんじゃん」



私はそっとユウの真後ろに膝まづいた。
そして後ろからそっと肩に腕をまわし、彼の頬に触れるだけのキスをした。



「…久しぶりだね、キス…」
「…」
「続き、やっちゃう?」
「…」



無言のユウに少しムスッとした私は、彼の顔を覗き込もうとした。
すると、腕を掴まれ、私はユウの腕の中にいた。



「寝不足で機嫌悪くなるなよ」
「ご心配なく。明日も非番ですから」




ラビが言ってた、ユウが機嫌悪い理由…





『最近、ご無沙汰すぎてストレスたまってんさー』





  skin by spica