今日も暑かった。
White Verde
「あっついで、しかし!!」
「真子…」
「もーう、我慢できへんわ!!」
「真子…少し…」
「なんでな!?気温が36度もあるねん!!そこんとこ現世と一緒じゃなくてえぇやろ!?」
「黙らんか、真子!!暑苦しい!!」
「…す、すんません…」
特別隊隊舎の執務室の奥に20畳ほど和室がある。
そこは隊長が仮眠したり、休憩したりする場所だ。
そこで特別隊隊長と五番隊隊長がダラーンと寝転んでいた。
「クーラーないんかぁー?」
「そんなもの、ないわ…」
「ほな、氷枕…」
「もう溶けてもうた。意味がない…」
「じゃあ水の中に…」
「川にでも行ってこい…」
「…あっ!!!」
「なんだ、煩い…」
「プール行こうや、!!」
「…は?なんだ、ぷーる…とは?」
「めーっちゃ涼しいねん!
水浴びするところや!!行くで、現世に!!」
「…はぁ!?」
私は真子に引っ張られながら現世へと下りた。
「どれにするかのぉ…やっぱビキニか!
いや…他のやつに見られるのもなぁ…ちょ、。これとこれ、試着してみ?」
「は!?」
「あそこの箱で着るねん。来たら俺を呼ぶんやで?」
「え?あ、ちょ!!」
なぜか私は肌の露出度が高い下着のような物を着せられていた。
真子曰く「水着」というものらしいが、着慣れないもののため、中々時間がかかる。
「ー?着たぁ?」
という声が外から聞こえる。
「こ、こんなに…肌が…」
「、入んで!」
「わ、ちょっ!!」
狭い箱の中に二人、できるだけ真子から離れようと壁に張り付いた。
「…」
「な、なに…?」
「…やっぱ止めよか。服着ろ。帰んで」
「…はぁ!?」
「さっさとしーや」
唖然としている私を箱に残したまま、真子は振り向きもせず、ドアを閉めた。
“使用中”のプレートをカタカタを揺らしながら。
尸魂界を出て一時間後、私たちはまた同じ場所に座っていた。
「…何しに行ったんだ?」
「何がや?」
「余計暑い思いをしただけではないか」
「…いや、あれは刺激が強すぎるわ」
「は?」
「…」
「わっ!」
畳に押し倒された私は、真っ直ぐに真子の顔を見つめた。
「何、急に…」
「俺が間違ってたわ」
「は?」
「の水着姿を晒すなんて…
他の男がの身体を見るなんて…俺は耐えられへん!!」
「はぁ!?何を言っているんだ、そなたは…」
「そんなん、服着てても男が二度見するが服なんか脱いだら…
何度見するねん!?って感じやろ?
だからプールはやめ!
で、俺が独り占めすることにしてん♪」
「…は?ちょ…!真子、手!!」
すっと手が肌に触れたかと思うと、スルスルっと服を脱がせていく。
段々日が落ちてきたと言えども、まだまだ外は明るい。
時折、外の廊下を隊士が歩く影が見える。
そんな中、真子はジタバタもがく私を押さえつけ、口を塞いだ。
「んんッ…!!」
「しっ!聞こえるやろ」
「ッ!」
「まぁ、暑さもマシなったし…
これやったら一緒に風呂でも入ろな、」
「しんっ!!」
「大声出したら、あの世話好きな副官入ってくるやろ。」
こうして、結局私たちはプールにも行かず、部屋でゴロゴロしていただけだった。
私としては、こういう日があってもいいと思う。
真子と一緒にいれるだけで幸せだと感じられるから。
「なぁ、、今度は海にしよや」
「どーせまた行かないんだろう?」
「今度は誰もおらんビーチに行くから、大丈夫や。
それに…」
「ん?」
「あの白と緑のビキニめっちゃ似合ってたし、俺だけが見るんやったらえぇねん」
「ふふふ…なんだ、その理由は」
2013/09/04