「禁断の舞…黒」
大地が波打った。
紅蓮の愛
33. ニヒルな笑み
平子真子は、ふと空を見た。
「なんや、真子どないした?」
「いや…」
「何やねん!じゃあちゃんと場所探せや!
あいつら、肝心なモンこない分からんように隠しよって!!」
「大事だから隠すんだろ?」
「なんやラブ!もっぺん言ってみぃ!!」
イライラを周りにぶつけるひよ里をよそに真子は気を引き締めた。
「…なんや、死神さんは戦闘開始したみたいや。俺らもさっさと入口探すで!」
死ぬ気か……ッ!
※ ※ ※
大地は波打ち、異様な空気がその場を覆った。
「や…おぬし…」
「総隊長…お伝えした通り、これが私の戦い方なので」
元柳斎は片目でを見定め、口を開いた。
「奴らに尸魂界の土を一歩たりとも踏ませてはならぬ。」
私は護挺隊を囲んでいた十刃の部下に刃を向けた。
若い女の破面だった。
「うっひゃー、こいつ、もしかして隊長じゃね?」
「何をいっているの、アパッチ、どこからどうみても隊長ですわ。しかも…」
「特別隊、だね」
私は羽織をはためかせ、ため息を吐いた。
「こんな小童相手に来たのではないのだがな、肩慣らしと行こうか」
「はっ!よくゆーぜ!あたしらの方が上だってこと分からせてやる!」
ガッキーン
私が刀を構えようとしたそのとき、人影が私を覆い、敵の刀を受け止めた。
「…乱菊?」
「隊長…こんな奴らより破面を」
「だが…」
「大丈夫ですってー!私も強くなったんですよ☆」
ウインクをしながら私に微笑む乱菊。
敵の刀を受け止める腕は微動だにしない。
「…では頼むか。出来るだけ早く、片付けろよ」
「はい!」
しかし、私が、藍染の動きを監視している最中、乱菊の霊圧が急に小さくなった。
近くには雛森の霊圧も感じていたが、それも危ない。
それと同時に邪悪な霊圧を感じた。
「む…」
「総隊長、ここは私が」
「…」
「大丈夫です。一瞬ですよ」
そして私は瞬歩でその怪物の前に出た。
2016/2/9